「ベテランしか行けない現場」をなくす

 ~設備点検の属人化とその解決策~ 

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現場が回っているうちは見えにくい設備点検の“属人化”。教育負荷、緊急対応、品質ばらつきの潜在コストを可視化し、一般的な対策の比較と「情報を現場に確実に届ける」解決策を解説します。



 1.現場が回っている“今”の裏で、コストは積もっている 

設備点検の現場での「ベテランがいれば回せる」状態は、一見すると安定しているように見えます。

実際、土地勘や独自の巡回ルート、駐車位置、危険ポイントの見極めなど地図に載らない知見が現場を支えています。

しかしその安定は、特定の人に依存した、脆い均衡でもあります。

  • ベテランが休む・異動する・退職するたびに穴が空く

  • 新人は同行指導が欠かせず、単独で動けるようになるまでに長い時間を要する

  • 緊急対応は「その人と連絡が取れるかどうか」に運用が左右される

現場が回っているうちは見えにくい潜在コスト(教育負荷、代替が利かないリスク、品質のばらつき)は、積み重なるほど拠点の柔軟性を奪います。

属人化は、忙しくなるほど解消されにくく、むしろ強化されてしまう構造でもあります。

 2.なぜ属人化するのか

そもそも、なぜ属人化するのかを分解すると、以下のような現象が見られます。

  • 情報の単位が“人”になっている:進入路・駐車位置・注意点・現場の癖が、個人の記憶や私物メモに閉じている。

  • 地図に載らない情報が多い:住所検索できない設備(電柱・鉄塔・マンホール等)では、座標・ランドマーク・進入路の正確さが作業効率を大きく左右する。

  • 情報の更新が現場で完結しない:紙・Excel・口頭では更新や反映が遅れやすく、最新版がどこか分からない。

  • 情報が分断されている:注意点・過去履歴・図面が地点と紐付いていないため、必要なタイミングで参照されにくい。

 

その結果、「その人に聞けば早い」という文化が生まれ、業務は人を中心に回るようになります。

これは一時的には効率的に見えますが、組織拡大や人員入れ替えに耐えられない構造です。

 3.属人化がもたらす問題  

  • 教育負荷の肥大化:同行・口伝が長期化。ベテランの稼働時間が教育対応に奪われる。

  • 緊急対応の遅延:代替が利かず、「呼べる人」が見つからなければ初動が遅れ、復旧までの時間も伸びる。

  • 品質のばらつき:注意点の見落とし・誤進入で再訪や手戻りが増える。

  • 計画の脆さ:特定の人の予定に依存していると、計画の組み換えが難しい。

  • メンタル負荷の増大:属人的な“神頼み”が続くと、現場・管理双方の心理的なプレッシャーが高まる。

「今は回っている」ほど、改善が後回しになりがちですが、人の入れ替わりが起きた瞬間に痛みが一気に顕在化します。

 

 4.よくある対策の比較

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① OJTの強化(同行・ロールモデルの徹底)

    • 利点:現場の感覚や判断基準を最短距離で伝えられる。
    • 課題スケールしない(人の時間に依存)。記憶頼みで再現性担保しづらい。

 

社内Wiki/紙・PDFマニュアル整備

    • 利点:暗黙知を言語化できるため一定の標準化につながる
    • 課題地図・地点が分断されていると現場で見たい瞬間に情報に辿り着けない。更新・バージョン管理も負荷。

 

動画教育(ルート・作業手順の可視化)

    • 利点:視覚的に理解しやすく分かったつもりまでは早い。
    • 課題:現場での即応性(スマホ一発で地点情報+案内)が弱い。検索・更新の負荷も増えやすい

 

一般地図アプリ+個人メモ

    • 利点目的地への到達支援としては一定の効果。
    • 課題:住所のない設備私道・進入路の精度は保証されず、設備ID・履歴とのひも付けが弱い。結果、人の記憶に戻る。

 

⑤ GISや社内DBの構築

    • 利点:位置情報の管理・可視化に適している
    • 課題現場アプリ/ナビ/進捗共有まで一体で設計しないと、行けるようになる体験に結びつきにくい。定着までのコストが膨らみやすい。

 

ただし、教育・文書・地図・到達・共有が分断されたままでは、最後に人が橋渡し役を担う必要が生じ、属人化は解消されません。

 

 5.解決のポイント:属人化の脱却は「情報を確実に現場に届ける」こと

特定のツールや手段に急いで絞り込む前に、まず押さえるべき原則があります。

  • 地点単位での資産化

    • 住所がなくても座標・設備IDで登録。
    • 進入路・駐車位置・危険ポイント・写真・図面・PDF地点カードとして一元化する
    • 更新履歴が残り、最新版が一目で分かる。

 

  • 見る→行く”の導線接続
    • 地点カードから高精度な案内ワンタップで移行。圏外でも案内でき、到達の再現性が担保される。

 

  • 同じ見え方で情報を共有
    • 管理と現場側で同じ最新情報進捗・位置が共通言語になり、確認や電話の往復が減る。

 

この三点が満たされると、知っている人がいなくても現場が回る仕組み”が成立します。
教育は同行”から導線の再現へ。人を主語にした運用から、情報を主語にした運用へ切り替えることこそが、属人化解消の本質です。

 

 6.Gorillada PROなら、非効率を仕組みでなくす 

Gorillada PRO(ゴリラーダ プロ)は、設備などの保守点検や営業、その他の業務の効率化を支援するナビ機能付き点検業務クラウドです。

Gorillada PROなら、上記の原則を、日常のワークフローに無理なく組み込めます。

  • 住所なし地点の登録・共有
    座標や設備ID(例:電柱番号)で地点を登録。画像/PDF/注意点/進入路/駐車位置地点カードとして一元管理。

 

  • 管理現場の行先連携
    管理画面で行先を送信すると、現場はワンタップで案内開始車載ナビ品質の丁寧な案内で、圏外でも確実に到達

 

  • 同じ情報が同じ見え方で届く
    管理と現場アプリで最新版が同期進捗・位置が地図上でわかるため、問い合わせの往復が自然に減少。

 

  • 属人化の緩和
    ベテランの知見が地点単位で形式知化され、新人でも同じ導線でたどり着ける。教育コストの削減と品質の平準化に寄与。

 

“体制ではなく、仕組み”が整うことで、移動ロス・情報探索・連絡のやり取りが、計画的に減っていきます。

 

 7.まとめ:点検品質を場所から変えていく  

 住所がない作業地点は、点検の最初のハードルです。

紙・Excel・一般地図・GIS――それぞれの良さを活かしつつ、地点の構造化到達支援の接続仕組みとして整えることが、迷い・属人化・品質ムラを根から減らす近道です。

Gorillada PROなら、日常の現場に実装できます。住所のない作業地点での非効率を今日から解決し始めませんか。

 


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